30K以下におけるBi2212単結晶の磁束状態

Bi2212単結晶の磁束状態を機械的振動法によって、磁場とc軸とのなす角度を変えながら調べている。前回にひきつづいて測定を行ない、Bi2212の2次元性に起因した30K以下での磁束状態がわかったので今回まとめを行なう。この磁束状態の特徴の第1は、CuO2面に平行に磁束を通そうとするために、結晶が磁場からsinθ・cosθ(θは磁場とab面とのなす角)の平方根に比例するトルクを受け、この力は約20K以上では急激に小さくなることである。第2の特徴は、約15K以下でc軸方向にトラップされる磁束であり、これによって生ずるトルクについても測定した。