高温超電導ケーブルの機械的特性の導体Icに及ぼす影響

銀シースBi2223テープ線材を用いた高温超電導(HTS)ケーブルの開発を進めている。このHTSケーブルの機械的特性を調べることは重要である。というのもその導体性能はケーブル製造やその最終利用形態において加えられる応力によって制限されるからである。そのため、HTSケーブルについて次の3種の機械的試験を実施した:a)ヒートサイクル試験、b)曲げ試験、c)引っ張り試験である。ヒートサイクル試験では導体のIcは減少しなかったが、HTSケーブルの曲げは、導体のIcに影響を及ぼし、Icの減少は曲げ半径に強く依存した。まず曲げ半径が1500mmではIcの減少は無視しうる程度であったが、500mmではIcはほとんど無かった。また引っ張り試験ではケーブルフォーマの0.2%歪み以内ではIcの劣化が見られなかった。これらの結果はHTSケーブルの設計に反映される。