フォーマ上に、Bi2223銀シース線材を各層同一ピッチで螺旋に多数層巻き付けた高温超電導導体は、内層と外層のインピーダンスが異なるために、電流は外層に集中して流れる。この場合、導体の交流損失は、各層の電流を均一化した場合に比べ10倍程度大きくなることが我々の研究で明らかになった。そのためコンパクトな高温超電導ケーブルを実現する上で、スパイラル導体の各層の電流を均一化することが重要な技術となる。内層と、外層のインピーダンスを均一化する方法としては、インピーダンスの小さな内層の巻ピッチを短くして、内層のインピーダンスを大きくする方法が考えられている。我々は、内層ほど巻ピッチの短い導体を製作して、各層の電流を均一化することに成功した。また、この巻ピッチ調整により均流化した導体の交流損失を測定した結果、交流損失の低減を確認した。