C1-16
超電導線材をクエンチ型限流器に適用するには、線材の限流時における諸特性を把握することが必須であるが、高温超電導体は、従来金属系超電導体について考えられていたものとは異なる振る舞いを見せる。緩やかなI-V特性や液体窒素中での大きい比熱に起因した、臨界電流を超える電流下において即座に常電導抵抗を発生しないことなどは、高温超電導線材の持つ大きい特徴である。我々は、限流器適用を目指して、ハステロイ基板YBCO薄膜線材の過電流通電時、局所クエンチ時の抵抗発生の様子を短尺試料をもちいて測定し、また有限差分法によって温度解析を行った。これよりYBCO薄膜線材のクエンチ時の電気的・熱的振る舞いについて検討した。