我々はこれまでに、Ag-Bi2223線材を圧延加工で作製する場合に、圧延加工時の荷重が線材の超伝導特性にどの様な影響を与えるかを検討してきた。前回の学会では、普通圧延によって作製した単芯テープの結果を報告したが、今回は普通圧延だけでなくクロス圧延で作製した試料の結果も報告する。また単芯テープだけでなく、7芯テープの結果についても議論する。クロス圧延時の荷重を変化させて作製した試料では、普通圧延と比べてより低荷重の加工によるソーセージング現象が認められ、これが原因で、Jcは普通圧延で作製された試料よりも低い値しか得られなかった。また、普通圧延で作製された7芯テープでも、単芯テープと同様にJcは圧延荷重に依存することが解った。当日は、ホール素子によって測定された残留磁場分布から得られた線材内でのJcの分布についても報告する