畜冷型GM式冷凍機による伝導冷凍型超電導コイルは,従来の液体ヘリウム注入型コイルより手軽に扱えるため実用化に入ろうとしている.これの大型化を実現するための必要条件は,コンパクト化がおこなえる高強度線材の実用化とどの程度の熱擾乱まで加わっても超電導性が自己復帰するかの安定性を正確に把握することである.高強度線材としてCuNbを補強安定化材として用いたブロンズ法Nb3Sn線材を開発するとともに,GM冷凍機による伝導冷凍した試料についての安定性を定量・定式化することを筆者らは目的としている.今回は,その比較資料として液体ヘリウム中の4.2Kにおける浸漬冷却状態での上記高強度線材の安定性の実験を行ったので報告する.