交流超電導コイルでの超電導線と巻枠材料の接触における摩擦特性を把握するため、両者の接触を模擬した装置を用いて、摩擦係数の測定を行った。供試材料は、交流超電導線を想定したCuNiと、コイル巻枠材料としてDFRP(ダイニーマ繊維強化プラスチック)及びDGFRP(ダイニーマ繊維及びガラス繊維強化プラスチック)である。これらのプラスチックは、共に冷却すると膨張する特長を有するため、コイル巻枠としての利用が期待されている。また、比較のため代表的非金属巻枠材料であるGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を用いた測定も行った。これら三材料表面における摩擦係数を、液体ヘリウムに浸漬した状態で測定した。その結果、GFRPの摩擦係数に比べて、DFRP及びDGFRPの摩擦係数は大幅に低いことが示された。