A3-9

交流用超伝導導体の電流分布

交流用超伝導機器の実用化の為には、低損失特性を持つ大容量導体の開発が重要である。その為に超伝導線材の多重より線化が行われているが、このより線化に伴い偏流によるクエンチ電流の劣化や素線間結合損失の増大などの問題が生じている。導体内電流分布の一様化の為には、まず実際に導体内の電流分布を測定してみる必要があるが、一般的に使用される絶縁無し素線からなる超伝導より線導体の電流分布の測定はほとんど行われていない。我々はこれまでに絶縁無し素線からなる超伝導導体内の電流分布をピックアップコイル群を用いた導体周辺の自己磁界分布の測定から定性的に説明してきた。本研究の目的は、ピックアップコイル群の校正の精度を上げることにより、導体内の電流分布を定量的に評価することである。擬似導体を用いた予備実験によりコイルの校正の精度を上げる新しい測定手法は順調に行われた。ここでは、この新しい測定手法による超伝導導体の電流分布の測定結果について報告する。