A3-10
ケーブル・イン・コンジット導体を用いた大型超伝導コイルの励磁試験において、短尺試料の損失測定では観測されなかった長い素線間結合時定数が観測された。この長時定数は撚線導体の最終ツイストピッチに対応する時定数よりも長く、従来の理論では説明できない。この現象について、我々はこれまで2本撚線導体を用いた要素実験を行い、撚り乱れが1つの原因であることを示した。さらに、撚線導体に周期的な撚り乱れが起きると、長い時定数を持つことを理論的に明らかにした。今回は、導体の長手方向に周期的な不均一横磁界を印加することで撚り乱れを電磁的に模擬し、その状態で交流損失を測定した。その結果、均一な横磁界を印加した場合に比べ、不均一な横磁界を印加した場合では低周波領域において結合損失が増加することを確認した。この実験結果と計算結果を比較し、撚り乱れと素線間結合損失の関係について議論する。