これまで、垂直方向にリニア同期モーターを利用したエレベータの研究が幾つかを行われてきた。エレベータ側に超電導マグネット(永久電流スイッチ付)を搭載したシステムや、永久磁石を搭載したシステム等の実証実験が既に報告されている。一方、YBCO等の高温超電導材料は液体窒素温度で超電導特性を示す事が良く知られている。このYBCOのバルク体は磁場中冷却等の手法で磁場を捕捉させることにより、永久磁石に似た機能を持たせる事が出来る。今回我々は、このいわば”バルク磁石”を利用した、小型のエレベータ模型を製作するべく、基礎的な検討を行った。特に、エレベータ(バルク体)に働く垂直方向の電磁力(浮上力)に関して、電磁エネルギー計算を用いて検討を行い、バルク体の捕捉磁場や電機子起磁力等との関係を調べたので報告する。