E2-27
超電導限流器用磁気シールドの最適化
同和鉱業中研,,工学院大A,明星大B
@長谷山秀悦,宮内信和A,中根央A,吉澤秀二B
磁気遮蔽型超電導限流器の動作速度は、超電導遮蔽体が、主導体の発生する磁
界を遮蔽している領域(磁気遮蔽領域)から、系統の短絡故障などによる故障電流が
主導体を流れることで増大した磁界を遮蔽できず、内部に完全に侵入させてしまう領
域(磁気透過領域)への変化の速さに大きく依存する。一般的な有限長遮蔽体におい
て、遮蔽領域を超えた領域での、外部磁界の増加に対する内部へ侵入する磁界の割合
は(以下転移速度と記述)、その中心部で最も大きく、遮蔽体開口部に近い位置ほど
、小さくなる。今回我々は、磁気遮蔽型超電導限流器の高性能化を図るうえで、第一
段階として上記のことに留意し、超電導遮蔽体内全体での転移速度の均等化を目的と
して遮蔽体を作製し、実験を行った。遮蔽体は超電導リングを組み合わせた構造で、
遮蔽体端部には、中心部に比べ外部磁界の侵入が著しく、保遮蔽力が低いことを考慮
して、臨界電流密度(Jc)の高いリングを配置した。これと、Jcが等しいリングだけで
構成した遮蔽体について、それぞれ測定を行った結果、異なる遮蔽特性を得た。当日
は、この特性の変化による限流器動作速度の向上の可能性について報告する。