E1-9


Ag-Cu合金シースBi-2212多芯丸線の試作
助川電気,金材技研A,住友重機械B
三浦邦明,阿部勇治,@菅芳文,田中吉秋A,黒田恒生A,安原征治B,柳谷知之B,石塚正之B



 我々は、Bi-2212の2重円筒状コアを持つAgシース素線を用いて、Agシース或いはAg-7at%Cuシースの多芯丸線材(外径φ1mm、Matrix比約1)を試作してきた。これまでにAgシースにおいて、素線数を7-61本の範囲で増加させる、つまり、酸化物層厚を43-14μmの範囲で薄くすると、臨界電流の最大値は直線的に増加するとの結果を得た。また、37素線丸線材において、Ag-7at%Cuシース、Matrix比1.21の条件では500A以上の臨界電流を得た(4.2K,0T)。これは、Agシース、Matrix比1.21のでの約1.25倍であった。これによりAg-7at%CuシースによるIcの向上がこの線材においても確認された。 今回は、臨界電流の向上及びワイヤの強化の為に、Bi-2212の2重円筒状コアを持つAgシース素線61本をAg-7at%Cu合金パイプに挿入し、外径φ1mmまで減径した多芯丸線を試作した。この丸線材を、大気雰囲気で部分溶融熱処理を行い、臨界電流を4端子法により測定し、金属顕微鏡などで組織観察等を行ったので、その結果について報告する。