D1-1
大電力軸流冷却型ビッターコイル用銀銅薄板の開発
東北大金研,コベルコ科研A,神戸製鋼B
@三浦成人,渡辺和雄,淡路 智,本河光博,斎邦明,佐々木嘉信,石川清一A,近藤定夫A,島田雅生B
ハイブリッドマグネット用大電力軸流冷却式ビッター型マグネットのコイル導体材料として最適とされながら、銀を多量に含む高抗張力を有する銅合金は非常に硬いため、ビッター板として使用可能な、反りが少なく平面性の良い大きな薄板はこれまで製作できなかった。講演者らはコイル材として用い得る幅広で薄い板材の製作に成功した。また、20%から80%の銀を含む銅合金について、種々の熱処理温度から得られる銀銅板の抗張力と電気抵抗の測定結果を述べる。現在、磁場中の電気抵抗測定も準備中である。さらに、11Tのバックアップ磁場下で32mmの有効室温口径中に31T以上を発生する3重ビッター型コイルを設計・製作中で、これについても触れる。このコイルの素材として670MPa以上の引っ張り強度と約75%IACS以上の電気伝導度を持つ24%Ag-Cuを田中貴金属から購入し、特殊な方法で数十回の冷間圧延を行った後、アルゴン雰囲気中で熱処理することにより、種々の抗張力と電気伝導度を持つ340
mm × 340 mm角で0.8 mm厚の薄板を数百枚作製したが、最終的に得られた板の反りは、平らな盤上に置いた場合、ほとんど反りのないのが確認されている。