C2-5
冷却による He I-He II 相界面の発生と伝播特性の実験的研究
筑波大学構造工学系
@神谷宏治,村上正秀,Sergey Nemirovskii
液体ヘリウム4がλ点を通過する際に現れるHe I-He II 相界面の伝播特性を調べる。相界面の発生方法は
He I の冷却によって He II を出現させるとき、He I-He II 相界面も同時に現れる。
相界面の速度は He I からの冷却の度合や冷却部からの距離に依存して伝播していくことがあきらかになり、この現象の全体像を捉えることができた。
具体的には相界面伝播中の液体ヘリウムの熱伝達は 相界面を挟んで He I 側では通常の熱伝導によるが、He
II 側では超熱伝導性が破れ、量子化渦によると思われる熱抵抗の存在が認められた。
このことから本現象の定量的理解のためには、He II 相ではゴルターメリンクの法則に従うと仮定し、λ点近傍におけるいくつかの物理量の特異性を正確に考慮した理論の構築を必要とする。理論の構築及び解析は現在進行中であり、実験値との比較のよってその正当性を評価する。