A3-11
大型超伝導コイルの電流偏流に伴う交流損失の増大（５）短尺試料による要素実験（２）
鹿児島大・工,核融合研A,中部電力B
@川越明史,住吉文夫,川畑秋馬,三戸利行A,岩本晃史A,佐藤定男A,平野直樹B
ケーブル・イン・コンジット導体を用いた大型超伝導コイルの励磁試験において、短尺試料の損失測定では観測されなかった長い素線間結合時定数が観測された。この長時定数は撚線導体の最終ツイストピッチに対応する時定数よりも長く、従来の理論では説明できない。この現象について、我々はこれまで２本撚線導体を用いた要素実験を行い、撚り乱れが１つの原因であることを示した。さらに、撚線導体の長手方向に規則的に繰り返し撚り線加工が乱れると、長い時定数を持つことを理論的に明らかにした。また、導体の長手方向に規則的に繰り返す不均一横磁界を印加することで撚り乱れを電磁的に模擬した実験を行い、理論解析結果の検討を行ってきた。今回はこの実験的な検討をさらに進め、かつ大型コイルにおける結合損失特性の解析にこの「撚り乱れ」の考え方を拡張し、撚り乱れと素線間結合損失の関係について議論する。