A2-5



溶融法 YBCO 試料の電流電圧特性と磁束クリープ
電子技術総合研究所
@山崎裕文, 馬渡康徳



 溶融法で作製した YBCO バルク試料は、磁気浮上用の軸受けや電流リード等への応用が考えられているが、磁束クリープが応用上重要な問題となるため、その磁束挙動の解明が求められている。前回(1998年度春季低温工学・超電導学会)、磁化の磁界掃引速度依存性の測定によって短冊状の溶融法 YBCO 試料の電流電圧特性を正確に測定し、60-80 K, 0.2-5.0 T の広い温度・磁界範囲で冪乗則(V ‾ In)に従うこと、n値が大きいときには(20 以上)、Bean モデルがよい近似となることを報告した。今回、磁束クリープの測定を行い、磁化の時間依存性が冪乗則から期待される M/M0 = (t/t0 + 1)1/(1-n) に従うこと、クリープから求めたn値は、磁化の磁界掃引速度依存性から求めたn値よりも大きいことを見い出した。