低温工学協会では、低温工学及び超電導技術に関して顕著な功績をあげた会員に対して、大山論文賞,大山奨励賞,大島賞(海外渡航助成金)の3賞を設けて表彰してきました。これらの賞は、低温工学及び超電導分野の活性化に、些かなりとも役立ってきたものと思います。
昨年5月、山藤前学会長から「研究発表会の発表を対象に賞を設けて、研究発表会の活性化を図ってはどうか」との提案があり、その後、運営委員会,理事会などで、数回の議論を重ねてきました。その結果、第一線で活躍されている会員の大部分が参加されている研究発表会は、中堅の会員の表彰の場として、最適であろうとの意見が一致しました。なお、大島海外渡航助成金は、1997年度で廃止する事になりました。これらの事は、第150回理事会で正式に決定しました。
新賞のこれらの経過につきましては、低温工学31巻10号の巻頭言で荻原専務理事が述べられていますので参考にしてください。
大島賞優良発表の表彰が行われるのは、1998年の総会時からという事になりますが、表彰の対象は、本年5月につくばの金属材料技術研究所で開催される第56回春季低温工学・超電導学会からになります。会員の皆様の立派な研究が多数発表されますことを期待いたします。
表彰内容は次のようになります。
(1)表彰の基準
発表内容の独創性に重点を置くことは勿論ですが、発表の説得力、プレゼンテーション方法及び質問に対する回答力も表彰の基準とします。
(2)表彰の対象
1)表彰対象の学会は低温工学・超電導学会(春と秋)とします。
2)表彰件数は10件以内(春と秋にそれぞれ5件以内)とします。
3)表彰対象者は、口頭発表については発表者、ポスター発表については主要立ち会い者一人とします。
(3)選考方法
1)表彰対象者の推薦は、低温工学・超電導学会の座長(以下座長という)及び発表推薦委員*1(以下推薦委員という)によります。
2)座長は担当セッションの発表を、推薦委員は直接聞いたり見たりした発表を対象とします。
3)推薦は、推薦に値すると思われる発表についてン『評価表』を用いて行います。
4)『評価表』には「推薦の理由(特記事項)」を記入し、次の6項目(・独創性、・報告の論理性、・説得力、・データ整理、・プレゼンテーションの良さ、・質問,コメントに対する対応の良さ)について評価します。
5)秋季低温工学・超電導学会終了後、『評価表』の結果に基づき、発表部門のバランスを考慮して、春と秋それぞれ5件以内の受賞者候補を決定します。
6)褒賞選考委員会*2は発表推薦委員会*1の決定を承認し、受賞候補者を理事会に推薦します。
7)会長は、理事会の承認を経て受賞者を決定します。
8)表彰は、総会後の低温工学協会授賞式において行います。
注 *1 発表推薦委員会は、これまでの研究開発経験や、活動分野、学会活動の状況を考慮して、学会長が任命します。25名以内で構成され、委員長は学会長が当たります。委員の任期は4年とし、2年毎に半数交代とします。
*2 褒賞選考委員会は、低温工学協会褒賞を選考するために設けられた委員会で、委員は10〜15名で構成され、委員長は学会長が当たります。
*3 低温工学誌Vol.32 No.3 1997 に、改正された「低温工学協会褒賞規定」を掲載してありますので参考にしてください。