概要
E3-19
我々は、超電導交流機器の実現へ向けて、交流超電導巻線の諸特性(安定性や交流損失など)を調べることを目的とし、一次(交流)巻線を超電導化した垂直円筒型短一次リニア誘導モータの試作を試みている。リニア誘導モータは機器構成が非対称となるため、各相一次巻線の相互インダクタンスの不一致により、三相平衡電圧印加時に一次電流が不平衡となる可能性がある。この特性は超電導機で特に顕著となり、始動推力の大幅な低下などをもたらす。一方、円筒型リニア誘導モータは、一次巻線が環状巻となるため、独立に給電・励磁が可能であるため、極ピッチを機器製作後にも励磁電流の調整により変更できるという利点を有している。ここでは、この特長を活かし、非線形最適化手法(拡張ラグランジュ乗数法)を適用して、推力特性を向上させるための一次電流の最適化を行った。そして、無鉄芯の超電導機において、最適化の効果が高いことがわかったので、その結果について報告する。