概要
E2-19
高温超伝導体の応用の一つに、液体窒素温度における磁気シールドが考えられている。効率的に磁場を遮蔽するためには、臨界電流密度Jcを向上させるだけではなく、試料の特性が均一で比較的大きな面積を有することが望まれる。スクリーン印刷法は試料の大面積化が容易で、均一な特性の試料が得られる製膜法として知られており、磁気シールド材に適した超伝導厚膜試料を作成することができる。そこで 我々はスクリーン印刷法を用いて大面積(6cm×6cm)を持つAg-Bi2223厚膜試料を作製し、液体窒素温度における磁気シールド特性を評価した。実験ではヘルムホルツ型コイルが作る磁場中、及び単ポール磁石が作る磁場中において試料表面上の磁場分布を走査型ホール素子を用いて測定した。実験の結果、いずれの外部磁場中においても、一枚の試料だけでは十分な磁気シールド特性は得られなかったが、試料を重ね合わせることによって磁気シールド特性が向上することが解った。