概要 E1-19
酸化物高温超伝導材料のマイクロ波応用が発展するにつれ、高品質かつ大面積の薄膜作成技術が重要となる。誘導コイル結合型スパッタリング法は平行平板型マグネトロンスパッタリングのターゲットの上方に誘導コイルを付加したもので、大口径かつ均一な高密度プラズマを発生するため、広い範囲で分布の少ない膜を作製できる可能性がある。また、プラズマ領域内の荷電粒子に対する励起粒子の割合が通常のスパッタリング法に比べ多いという特徴をもつため、酸化物超伝導薄膜作製時に問題となっている負の荷電粒子による基板への衝撃を軽減することも期待できる。今回我々は、この誘導コイル結合型スパッタリング法を用い、YBa2Cu3Oy薄膜の作製を試み、さらに誘導コイルが膜質に与える影響について調べたので報告する。