概要
E3-22
高温超伝導線材を電力ケーブルなどに応用する場合、交流通電損失特性は重要である。本研究ではNorrisの理論を用いた数値計算によって、高温超伝導テープ線材を用いた集合導体における交流通電損失の振舞いについて、集合導体中の損失の分布と、素線の配置が損失に及ぼす影響を考察した。 素線の配置が大きく異なる集合導体についての損失の計算結果から、テープ線材を円筒状に配置した円筒型導体において交流損失が小さいことを確認した。また、損失の分布の結果から、円筒型導体内の素線においても、テープエッジ付近で大きな損失が発生していることが明らかとなった。このことは、テープエッジ部分から磁束線が円筒の内側に向かって進入していることに起因する。また、素線間隔や層間距離を変えると、交流損失の大きさも変化し、損失を低減するためには素線配置等も最適化する必要のあることが予想される。