概要
C1-13
昨年我々は、50m導体を作成して2000Armsまでの通電試験を行い、交流損失の測定をおこなった。フォーマ上に銀シーステープを積層化した積層化導体の場合、導体の交流損失は各層の電流分布により変わることを知り、特に各層の電流分布を均一化することで交流損失を従来の交流損失に比べ低減することができた。この電流均一化導体の交流損失の発生機構として、我々はUCDモデルを提唱し理論的に解析することに成功した。そこで今回さらに5m−6層導体を作成して交流損失の測定を行い、このUCDモデルの正当性を確認した。 1つの断熱管に3相1括で収納する超電導ケーブルは、他の導体が発生する磁界による交流損失の上昇、導体Icの減少を防ぐために各導体に超電導シールド層が施工される。このシールド層の交流損失も超電導ケーブル実現のために重要なファクターとなるが、我々はこのシールド層の交流損失についても、導体を作成して測定・調査を行った。今回、我々は超電導ケーブルを実現するうえで最も重要な交流損失に関し、導体、シールド層の両者についてその実験結果を報告する。