概要
C2-12
液相エピタキシャル法により作製したYBCO厚膜について、c軸に平 行に磁場を与えながら磁気光学法により磁束侵入および排出の過程を観察 した。また同じ膜について磁場中Jc測定を行い、両者の関係を比較検討 した。なおこの膜は77K、1Tの磁場中において10万Acm2以上のJcを有 していた。磁気光学測定によればゼロ磁場冷却を行った試料において、特 にツインバウンダリーに沿って磁束がた易く侵入することが観察された。 しかし0.8Tまで磁束を侵入させた後の、磁場の減少過程においては特にツ インバウンダリーに沿った磁束の排出は観察されなかった。このことから 低磁場において磁束が侵入しやすい場所が、必ずしも高磁場においてウ イークな場所となるとはかぎらないことを意味する。これらの関係につい てはより詳細な検討が必要である。