概要 E3-20
マイクロ波領域において超伝導体は常伝導金属に比べて2ケタほど低い表面抵抗を持つため、アンテナ、伝送線路等のマイクロ波デバイスへ応用すると、これらのデバイスの高効率化が予想される。今回は超伝導アンテナの共振周波数、入力インピーダンス、利得等の特性を測定したので、それについて報告する。伝送線路モデルにより共振周波数5GHz、入力インピーダンス50Ωの方形パッチアンテナを設計し、MgO基板上のYBCO薄膜を用いてアンテナを作製した。測定の結果、温度30Kにおいて最大の利得を示したが、50Kでは30Kのときに比べて利得は半減し、55K以上ではアンテナとしてほとんど動作しないことがわかった。また、指向性については超伝導アンテナ、銅アンテナともほぼ等しい放射パターンが得られた。