概要 D1-11
交流超電導コイルでの超電導線と巻き枠材料の接触における摩擦特性を把握するため、両者の接触を模擬した装置を用いて、摩擦係数の測定を行った。供試材料は、交流超電導線を想定したCuNiと、電力用超電導機器の巻き枠として使用されているADFRP(アルミナ繊維とダイニーマ繊維で強化されたプラスチック)である。これら両者を接触させ、ADFRPを固定した状態でCuNiを駆動(直線状往復動の繰り返し)させ、両者間に摩擦を発生させる。そして摩擦力と接触力の比に基づいて摩擦係数を算出した。ADFRPは切削加工の状況によって、その表面状態に顕著な違いが生じることがある。そこで、表面状態の異なるADFRPを供試材料として用いて実験を行った。当日は、これら一連の測定結果を報告し、ADFRPの表面状態の差異が摩擦係数に及ぼす影響や、CuNiの往復繰り返し滑りによる摩擦係数の変化などについて考察する。