概要
E2-7
様々なBi系超電導試料の電流-電圧曲線について磁束線の グラス-液体転移理論の手法によるスケーリングが成り立つが、 多くの場合、磁界の増加とともに動的臨界指数 z が増加し、静 的臨界指数νは減少する。一方で、スケーリング及び転移曲線な どについては磁束クリープ・フローの機構で説明がなされている が、この機構によれば臨界電流密度の不均一さが増すと z が減 少し、νは増加する。転移曲線に沿えば、磁界の増加は温度の減 少を意味し、したがって温度の増加とともに臨界電流密度の不均 一さが増せば、観測されている臨界指数の変化を定性的に説明す ることができる。ここでは臨界電流密度の不均一さの温度変化が 上部臨界磁界の不均一さの温度変化に対応すると仮定して、磁束 クリープ・フローの理論により臨界指数の変化を定量的に調べた 。