概要
E3-2
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動(EDA)において、製作が進められている中心ソレノイド(CS)モデル・コイルは、通電電流46kAにおいて、最高磁場13Tを発生するものである。このコイルに用いられる導体ジョイントは、これまでにない高磁場(2.6T)かつ速い変化磁場(0.08T/s)にさらされる。そこで、低電気抵抗かつ低交流損失の性能を有する2つのタイプのジョイントを開発した。2つのタイプとは、突合せ型(Butt Type)と拝み合せ型(LapType)である。突合せ型とは、超電導撚線どうしを拡散接合により、接続するものである。本講演においては、突合せ型についての設計と通電実験結果を報告する。通電実験に用いたサンプルは、モデル・コイルと同じ46kA級フルサイズ導体を用いて製作された。このサンプルは、スイスの試験装置(SULTAN)において、外部磁界11T、通電電流100kAまでの範囲で、通電実験が行われた。この時の電気抵抗値、臨界電流値、分流開始温度等の結果を中心に報告する。その性能は、モデル・コイルのみならず、CSコイル実機にも、十分適応できるものであった。