概要
A3-3
高エネルギー物理学研究所で建設が進められている B ファクトリーでは、有限の角度で電子と陽電子のビームのバンチを衝突させるためバンチの前後でバンチの重なりが不完全になり、ビームが不安定になる。その結果、ビームが広がり、ルミノシテイが減少する。そこで、衝突点に向かう電子および陽電子のバンチを Crab 空洞と呼ばれる特殊な形状をしたNb 製の超伝導高周波空洞 ( 508 MHz ) 内の時間的に変化する磁場で電子と陽電子のバンチをキックさせて傾けて、正面衝突させる。この Crab 空洞を収納し、液体ヘリウムで浸漬冷却して、 RF 特性試験を行うために、ヘリウム槽の内径が 1100 高さ 3500 の縦型のクライオスタットを製作した。このクライオスタットの構造および製作と性能試験結果について報告する。