概要
D1-1
ITER TFコイルケースでは、最高で約400mmの厚肉鍛造材が使用される。しかしながら、そのような厚肉では、中心部の冷却速度の低下や鍛造効果の減少に伴う強度、靱性の低下が懸念される。そこで本研究では、JCS(Japanese Cryogenic Steels)の一つであるJJ1鋼の500mm厚鍛造材を試作して、4K引張試験および4K破壊靱性試験を行った。その結果、500mmという厚肉にすることで、0.2%Y.S.の若干の低下が確認された。また厚さ方向で見ると、0.2%Y.S.では表層部より中心部の方が低い値を示したが、全ての位置で1000MPa以上の高強度を示すことが分かった。さらに破壊靱性値は、全ての位置で200MPa・m0.5以上の高靱性を示し、表層部の靱性が一番高く、(1/4)T部と中心部はほとんど変わらないことが分かった。