Bi-2223超電導体は、Biの一部をPbにて置換することで、単相化が容易になることが知られている。最近のBi-2223に関する報告のほとんどは、このPbの置換が行われている。我々がこれまでに報告してきたBi-2223電流リードにおいても、このPb置換を行うことでBi-2223相がほぼ単相となり、I_c=1500A、J_c=1500A/cm²を77K、自己磁場中において達成している。　このPb置換を行わずにBi-2223相を生成させている報告も一部なされているが、transportのI_cを測定するまでには至っておらず、X線回折による生成相の同定、磁化率からのJ_c換算による評価に留まっている。そこで、我々はPb置換を行わないPb-free Bi-2223電流リードを作製し、transportによるJ_cを評価した。その結果、Bi-2212とBi-2223の混相となったが、I_c=300A、J_c=300A/cm²が77K、自己磁場中にて得られた。