スクリーン印刷Bi2212厚膜の作製と表面抵抗

 近年、高温超伝導体の高周波応用に関する研究は盛んに行われている。これは高周波材料として広く用いられている銅等と比較して、超伝導体は小さな表面抵抗値を持つために、導体損失の低減が見込めるためである。このような超伝導材料の中で、特に広く研究されているのはY系薄膜である。この材料は、表面抵抗が非常に小さいために実用化が期待されているが、その反面、工業的にみると装置のコストが高いことや大面積化及び立体構造化が困難であるといった問題点がある。 本研究では、Y系に比べて高周波応用に関する研究があまりされていないBi系超伝導体について、安価で大面積化及び立体構造化が可能なスクリーン印刷法を用いて厚膜試料を作製し、誘電体共振法を用いて表面抵抗値を評価する。試料の作製プロセスが最終的な特性に大きな影響を及ぼすため、今回は特に熱処理過程を様々に変化させた試料について表面抵抗を測定し、作製プロセスと高周波特性との関係について明らかにする。