超電導磁石での交流損失による誘導クエンチの研究
NMR等に用いられる同軸多コイルの超電導磁石において、熱的に絶縁されたコイル間での、交流損失発熱によるクエンチ伝播を制御するため、実験と数値解析を実施した。実験では、フィラメントツイストピッチのみ異なる2種の同軸3コイル磁石を作成し、フィラメント間結合損失の違いによる誘導クエンチ挙動の明白な違いを観測した。また、交流損失モデルを取り込んだ2次元熱伝導に基づくクエンチ伝播解析コードを開発し、実験との良好な一致を得、誘導クエンチを予測・制御できる見通しを得た。