Nb3Sn超電導マグネットによる21.7T磁場発生

 金材技研で開発中の1GHz級NMRマグネットでは,NbTi, Nb3Sn導体を用いて900MHz(21.1T)金属系外層マグネットを製作する計画である。このマグネットの開発の課題のひとつに,最内層コイルの高電流密度化がある。我々は14%Snブロンズを用いたNb3Sn導体を開発し,高磁場での高臨界電流密度特性を確認した。今回この導体を用いたマグネットにより,18Tのバックアップ磁場中で61mmのクリアボアに21.7Tの磁場発生に成功し,実規模マグネットでも優れた導体特性を発揮できることを確認した。その結果から,1GHz級NMR用金属系外層マグネットの実現性を検討したので報告する。