磁気光学効果によるYBCO厚膜への磁場侵入及びJc特性解析II

 LPE(Liquid Phase Epitaxy)法で作製したY123厚膜において、双晶粒界が臨界電流密度に与える影響を調べた。実験に使用した試料は、ストリップライン方向に対して双晶粒界が45゜及び90゜の角度を持つ2種類で、LPE法を用いてMgO基板上に作製した。これらの試料に対して、c軸に平行に磁場を与えながら磁気光学法により磁束侵入および排出の過程を観察した。さらに、磁場中Jc測定を行い、両者の関係を比較検討した。 2種類の試料ともに、5Kにおいて双晶粒界に沿った磁束侵入が観測された。また、Jc測定の結果、0T、77KでのJcは2種類の試料とも47万A/cm2 であった。1T以上の磁場中では、45゜試料の方が Jc が高く、6T以上でその傾向がさらに顕著に現れた。 本研究は、NEDOから委託を受けて実施したものである。