高温超電導体に高速中性子や重イオンを照射すると、照射欠陥が新たなピンニングセンタとなって臨界電流密度などの特性が変化することは良く知られている。一方、本研究室ではパンケーキ磁束モデルに基づき、高温超電導体中における磁束量子挙動シミュレーション手法としてすでに磁束量子動力学法の開発を行った。本研究ではこの手法を用い、Bi2212単結晶に高速中性子照射を行った場合のBi2212単結晶中での磁束量子挙動のシミュレーションを行い、この結果に基づいて高速中性子照射によるBi2212の基礎的電磁特性変化の数値解析を行う。