不可逆磁界はピンニングの強さと超電導体の次元性に依存していることが知られている。また、一般に不可逆磁界を決定するピン・ポテンシャルは磁束線の単位体積当たりのピンニングエネルギーと磁束バンドルの体積の積で与えられる。ここで前者と後者の長さ方向のサイズもピンニングの強さにのみ依存する。したがって横方向サイズのみが超電導体の次元性に依存すると考えられる。また横方向のサイズの2乗は磁束バンドル中の磁束線の数g2に比例しており、最も2次元的な Bi-2212 ではg2=1、もう少し3次元的な Bi-2223 ではg2=1〜2であることが報告されている。しかし、最も3次元的である Y-123 におけるg2の値はまだ明らかにされていない。そこで本研究では熔融法で作製したY-123 バルク試料のl44、 Jc 及び磁化の緩和を測定し、磁束クリープ理論を用いてg2の値を求め、考察を行った。