本研究は、酸化物超電導テープ線材の電気的特性、特に臨界電流Icの劣化を超音波を用いて常温下で推定する方法について実験的に検討したものである。その結果、テープ線材(厚さ0.2mm程度)にR=50mm以下の曲げ歪みを加えていくと音響的伝達特性での共振周波数値において振幅が低周波側に移行しながら高くなる様子が観察された。さらに、低温実験により曲げ歪みを加えた箇所からの臨界電流Icの劣化を確認することができた。これにより、酸化物超電導テープ線材の性能の劣化を常温下で推定する方法の可能性を示すことができた。