Bi2223超電導体は、110Kの臨界温度(Tc)を持ち、20〜30Kの温度において大きな臨界電流密度(Jc)を持つことから、高磁界マグネットや大型コイルへの応用が期待されている。マグネットの運転時には、線材にフープ力すなわち引張応力が作用する。また、ハンドリングによる特性の劣化を防ぐために、機械的強度の優れた超電導線材が求められている。筆者らは、機械的強度の優れたシース材の検討を行い、AgMgSb合金が、強度・加工性ともに優れていることを見いだした。本報では、このAgMgSb合金シースを用いたBi2223超電導線材を試作した結果を報告する。