核融合用トロイダルコイル用にジェリーロール法によるNb3Al銅安定化多芯線の使用が検討されている。Nb3Alを用いると良好な耐曲げ歪み特性を活かして、熱処理後に巻線を行ってコイルを製作できる。これにより、熱処理炉の大きさが約半分ですみ、さらにはD型の形状に巻いて熱処理した導体をプレートに移すという難しい技術も不要である。ITER CS-モデルコイルにおいては、内側に一層のNb3Alインサートコイルを挿入し、試験することが予定されているが、このNb3Alインサートコイルで熱処理後に巻線を行うプロセスの実証が行われる。本報では、Nb3Alインサートコイル用素線の製作結果と、臨界電流、交流損失等の特性について報告する。