近年,超流動ヘリウムの工学的応用は宇宙開発の分野に及んでおり,その例としてファウンテンポンプがある。これはポーラスプラグよりも孔の小さなスーパーリークに近い多孔質物質をポンプエレメントとし,その下流側にヒータを取り付けただけの構造を持つ。このポンプの作動原理として常流動成分はポアが小さいため粘性により移動できず,超流動成分は粘性がないためエレメント中を流れるからである。ここで筆者らはポーラスプラグ中の超流動ヘリウムの流動伝熱特性を調べるために直径が数μの直管をモデルとし数値解析を行った。また基礎式として管摩擦を考慮したエントロピー式を作り,理論面からも計算結果からもこの式の妥当性を証明することができた。さらに管端の温度差,圧力差によって最大質量流量がどのように変化するかを示す。