酸化物超電導バルク体を着磁して擬似的な永久磁石として使用するバルクマグネットの応用の一つとして、浮上式鉄道用超電導磁石への応用が考えられる。このような応用では、製作できる超電導バルク体の大きさに制約があるため、1つの極に複数の超電導バルク体を並べ、同じ極性で着磁することが方法の一つとして考えられる。この場合、並べられた超電導バルク体が互いに影響を受け、着磁される磁場の大きさや分布は単体の場合と異なることが予想される。そこで、個々に励磁のためのコイルを配置した複数の超電導バルク体を並べ、液体窒素温度へのフィールドクールによる着磁試験を行い、超電導バルク体が並べられたことによる着磁特性への影響を検討した。その結果、励磁コイルの起磁力を一定にした場合には、並べる個数が増えるほどフィールドクール時に超電導バルク体に印加される磁場が小さくなり着磁量が少なくなることや、超電導バルク体が置かれる位置により着磁量が変わることなどが分かったので報告する。