最近、核融合用や電力貯蔵用の大型超伝導コイルの通電・励磁試験が行われ、超伝導技術の実用化に向けた取り組みに拍車がかかっている。しかしながら、新たな問題点として、単尺導体試験では予期しなかった時定数の長い結合損失が生じ交流損失が増大することがコイル実験で確認されている。この発生要因は、ケーブルインコンジット導体等の大型撚線導体の撚り乱れによるツイストピッチの違い等が素線間を渡る結合電流を生じさせることに起因すると考えられる。前回の学会において、２本撚線の撚り方に差をつけた試験サンプルを用いた要素試験結果について発表したが、その後、実験データの再整理ならびに電流リードとサンプルの接続部の影響についての追加実験を行ったので報告する。