超伝導磁気エネルギー貯蔵(SMES)は,即応性,低損失,高効率という点から将来の電力貯蔵システムの候補として期待されている。しかし,大型SMESにおいて,強磁界の発生に伴う巨大な電磁力が,依然として装置の設計,製作上大きな問題点となっている。この問題を解決する方法として,著者らは,大半径方向にはたらく巨大な電磁力を低減させ,またトーラス内側部の局所的な電磁力を分散する電磁力平衡コイル(FBC)を開発した。このFBCをSMESへ適用する上で,電磁力,線材張力,漏れ磁場の制約のもと,発生磁界,アスペクト比,蓄積エネルギー各値の最適化を行う。そして,従来のトロイダルコイル,ヘリカルコイルと比較し,FBCの大型SMESへの適用の有効性について述べる。