RE123 酸化物超電導体 ( RE: La, Nd, Sm ) においては、RE と Ba はイオン半径が近似しているため、RE が Ba を置換し、その置換領域のために高い Tc が得られなかった。しかし近年、低酸素分圧下において溶融凝固を行うことにより、RE123 酸化物超電導体において、高い Tc 及び Jc を達成することができるようになった。これは、低酸素分圧下で結晶成長を行うと、RE と Ba の置換が抑制されるためと考えられる。 しかし、状態図の研究などが進むにつれ、大気中においても置換量の小さい RE123超電導体の合成が可能であることが示唆されている。本研究において、我々は 前駆体に Nd123 と Ba リッチな Nd422 を用いることにより、大気中で溶融凝固を行っても、高い Tc 及び Jc を得ることに成功した。また、同様の手法を用いて Sm123、Gd123 などについても大気中での溶融凝固によって作製したので報告する。