YBCO薄膜を用いたSN転移型限流素子

 レーザー蒸着法により直径50 mmのLaAlO<SUB>3</SUB>基板上に作製したYBCO薄膜を用いてSN転移型薄膜限流素子の作製をおこなった。一般にYBCO薄膜を用いたSN転移型限流素子はYBCO線路上に金属薄膜を設けるが、今回作製した素子は金属薄膜がYBCO線路より大きい構造をしている。これは基板への熱衝撃を低減するためであり、この構造にすることにより限流素子の通電容量を増大することに成功した。作製した限流素子は50 Hz半波の限流試験の結果、限流開始電流値120 A、最大印加電圧100 V、発生抵抗約0.8オームの応答を示した。またこの素子にピーク値50 Aの50 Hz電流を1分間連続通電しても温度上昇は認められなかった。