不均一な超伝導体の振る舞いを理解する手段の一つとして、パーコレーション>理論を適用して実験データを整理する方法が、グラニュラー超伝導体等に対して従来か>ら行われている。セラミックス状態の酸化物超伝導体の粒界間の超伝導弱結合を補強す>るために銀添加が有力である。酸化物超伝導体中での銀粒子の挙動に対してもパーコレ>ーション理論で整理しようとする試みがいくつかなされているが、各報告の結果にばら>つきがあり、互いに矛盾する点も見受けられるのが現状である。我々は、YBa2Cu3O7-d(YBCO)の酸素欠損量dを変化させて、AgとYBCOの比抵>抗を様々に変化させてAgのパーコレーションしきい値(threshold)近傍の臨界領域での電>気抵抗を詳しく調べた。AgとYBCOの抵抗比を計算に入れたスケーリング則を適用すれば>見かけ上の矛盾を解決し、統一的にYBCO中のAgの振る舞いを理解できる事を示す。