会長 挨拶

written on Jun. 4, 2012

 





    低温工学・超電導学会会長 
佐藤 謙一 


新しい発展に向けて

本学会は、1961年に発足した「低温工学談話会」、談話会を発展して1966年に設立された「低温工学協会」を母体としています。このように長い歴史を持ち、2011年4月1日には、公益社団法人 低温工学・超電導学会と改称し、新たなスタートを切りました。1911年に超電導現象が発見されて100年が経過し、低温・超電導関連科学技術が新しい発展のスタート台に立った2011年に本学会が改称・発足したことに、社会からの大きな要請の声を聞くように感じます。

2011年度からの公益法人移行に伴い、理事の皆様に担当分野を掌握願うとともに、理事会・運営委員会での活発な討議により、各支部・部会・委員会を主体とする学会基盤の強化・活性化が従来にない力強さで進められています。


低温・超電導関連科学技術を“今世紀の切り札”に!

私たちが当面の重要推進課題として持っているのは、(1)研究発表会と学会誌の充実、(2)他産業・他学会との連携、(3)継続した会員増強と若手会員の育成、(4)一般向けの広報活動や国際的活動の強化、(5)およびこれらの課題を推進する基盤強化事業の実施です。また2012年4月には、時代の要請に応えつつ21世紀の社会に大きな貢献を行っていくことを目指して、学会の理念、使命、活動指針を策定しました。これらの策定過程で再認識したことは、本学会の会員数は約1,100名とマンモス学会ではありませんが、低温関連科学技術者と超電導関連科学技術者が一つの継続した組織体に存在するという世界にもあまり例のない学会であり、その活動領域の幅が極めて広く、人類の持続的発展・幸福度の向上に貢献することを強く求められており、また低温・超電導関連の産業育成および人材育成に対する大きな責任を持っているというものです。

私たちは低温関連・超電導関連科学技術の「学の発展」に貢献するとともに、(1)医療・診断領域、(2)交通・輸送領域、(3)エネルギー創出・供給・利用領域、(4)情報・通信領域、(5)環境・宇宙領域、(6)新物質・新機能開拓領域、(7)冷凍・冷却機器領域などにおいて低温関連・超電導関連科学技術が“今世紀の切り札”となるよう、また若い研究者が夢の実現へその力を十分発揮できるよう、他分野研究者の方と連携しつつ、ともに進んで行きたいと思います。


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