核融合炉用超電導磁石絶縁材料の照射効果に関する研究-放射線照射による電気絶縁性能の変化-

Study on Irradiation Effect of Insulating Materials for Fusion Superconducting Magnet -Change in Electric Insulation Performance by Irradiation-


鬼頭 駿介, 小林 浩二, 秋山 庸子 (阪大); 西嶋 茂宏 (福井工大)


Abstract: ITERで使用される超電導磁石には核融合反応によって発生した中性子線やγ線などの2次放射線にさらされる.中でも超電導磁石の絶縁材料には放射線感受性の高い高分子材料が使用されており,照射により絶縁性能が低下する可能性がある.特に沿層方向はフィルムによる絶縁がないため、劣化する可能性が高い。
 本研究では,エポキシ樹脂をマトリックスとしたGFRPと,GFRPにポリイミドフィルムを複合させたハイブリッド複合材料を作製し,それぞれの材料に対してγ線を照射後,沿層方向に対して絶縁破壊試験を行った.その結果から吸収線量と単位長さあたりの絶縁破壊電圧の関係を調べたところ,吸収線量の増加に伴いGFRPは絶縁耐力も増加し,ハイブリッド複合材料は絶縁耐力が低下することが分かった.