ITER-TF接続サンプル試験における電位分布の考察

Consideration of voltage distribution in conductor surface of ITER-TF joint samples


今川 信作 (NIFS); 梶谷 秀樹 (量子機構); 尾花 哲浩, 高田 卓, 濱口 真司, 力石 浩孝, 高畑 一也 (NIFS); 松井 邦浩, 辺見 努, 小泉 徳潔 (量子機構)


Abstract:ITER-TF接続サンプルの通電試験を核融合科学研究所の大型導体試験装置を用いて実施しており,これまでに5本の接続サンプルを試験した。接続サンプルは,長さ1.5 mのケーブル・イン・コンジット導体2本の下部がITER-TF実機と同じ接続部形状に加工され,銅スリーブ同士が半田接合されている。超伝導線と銅スリーブの接続長は440 mmで,最終撚りピッチ長に相当する。上部は,100 kA電流リードに接続される銅ブスバーと低抵抗で接続するため,下部と同様の接続部形状に加工され,銅ブスバーとはインジウムを挟んで接続されている。上下の接続部に挟まれた通常部の長さとして300 mmを確保するため,上部接続部の超伝導線と銅スリーブの接続長は試験装置の寸法制限から325 mmに短縮されている。電圧端子は,下部の接続上端から90 mm, 220 mm, 350 mmの位置のコンジット表面に6点ずつ取り付けられており,各位置における往復導体間の電位差から下部接続部の接続抵抗を求めている。インダクタンスと渦電流の影響を排除するため,電流値1, 15, 30, 45, 60, 68 kAで3分間保持して電位差を測定し,各位置6点の平均電位差の電流値依存性(勾配)から抵抗値を求める方法により,nΩレベルの抵抗測定を可能としている。電圧端子間には0.01 mV程度の電位分布が観測されており,接続サンプルに共通するものと固有のものがあり,その要因について考察する。