ITER TFコイル巻線の熱処理変形の評価

Evaluation of Winding Deformation Caused by Reaction Heat-treatment for ITER TF coil


辺見 努, 梶谷 秀樹, 松井 邦浩, 山根 実, 坂口 香織, 中本 美緒, 齊藤 徹, 安藤 真次, 高野 克敏, 小泉 徳潔 (量子機構)


Abstract:日本はITER計画において9体のトロイダル磁場(TF)コイルの製作を担当している。ITERの20年間の運転のため、TFコイルでは、電気絶縁の機械的及び電気的信頼性を高めるおくことが求められる。このため、TF導体周りの絶縁材に他のターンの電磁力が重畳されないように、巻線して電気絶縁を施したTF導体をラジアル・プレート(RP)と呼ばれるD型の溝付きステンレス板に挿入し、カバー・プレート(CP)を被せて導体を固定する構造としている。Nb3Snを生成するために、熱処理を実施する必要があり、Nb3Snが脆性材料であることから、熱処理後に0.1%以上の曲げ歪を加えることができない。このため、D型形状に巻線し、超伝導生成熱処理を実施した後、RP溝に導体を挿入する。これを実現するために、導体長として±0.02%(1ターン約34 mに対して±7 mm)の高精度で巻線長を管理する必要がある。加えて、熱処理により変形した導体は±0.1%の歪で曲げてRP溝に挿入する。本講演では、熱処理前後の巻線形状の変形及びRP溝に挿入するための曲げ歪の評価結果について報告する。